脱・棒立ち!ポートレートのポージング指示のコツ10選|自然な表情を引き出す魔法の言葉
ポートレート撮影において、多くのカメラマンがぶつかる壁。それが**「ポージングの指示」**です。
「ハイ、チーズ!」で撮ると、どうしても体が硬くなり、いわゆる「棒立ち」の状態になってしまいがち。被写体がモデル慣れしていない一般の方であれば、なおさらどう動いていいか分からず不安を感じてしまいます。
この記事では、モデルの緊張を解きほぐし、まるで映画のワンシーンのような**「自然な動きと表情」を引き出すポージング指示のコツ10選**を解説します。
1. 「動かないで」ではなく「動き続けて」と伝える
ポートレート撮影の最大の敵は「静止」です。止まってしまうと意識がカメラに向き、表情が強張ります。
「ゆっくり歩いてみて」「髪を耳にかけてみて」など、動作(アクション)を指示しましょう。動いている最中のふとした瞬間に、最も自然な表情が宿ります。
2. 重心を「後ろ足」にかける
棒立ちに見える原因の多くは、両足に均等に体重が乗っていることにあります。
「後ろの足に体重を乗せてみて」と指示するだけで、体に自然な曲線(S字ライン)が生まれ、リラックスしたこなれ感が出ます。女性ならスタイルアップ、男性なら余裕のある雰囲気を演出できます。
3. 「目線」を外すバリエーションを持たせる
カメラを直視し続けるのは、撮られる側にとってプレッシャーです。
「あそこの看板を見てみて」
「足元に何か落ちている感じで」
「遠くの景色をぼーっと眺めて」
このように、具体的な対象物を示して目線を外してもらうと、アンニュイで物語性のある写真になります。
4. 手持ち無沙汰を解消する「小道具」の魔法
手がどこにあればいいか分からないと、人は緊張します。
バッグを持つ、コーヒーカップを握る、帽子のつばに手を添える。何かに触れている状態を作るだけで、ポーズは格段に安定します。ポケットに軽く手を入れるだけでも、一気にプロっぽい雰囲気になります。
5. 具体的でポジティブな「魔法の言葉」をかける
「いいですね!」だけでは、被写体は何が良いのか分かりません。
「今の首の角度、すごく綺麗です!」
「光が瞳に入ってキラキラしてますよ」
「そのアンニュイな表情、今の雰囲気にぴったりです」
**「具体的にどこが良いか」**を褒め続けることで、被写体は自信を持ち、自己肯定感が上がって表情が輝き出します。
6. 「三角形」を意識して隙間を作る
脇を締めすぎると体が大きく(太く)見えてしまいます。
「腰に手を当てる」「頭の後ろに手を置く」などして、脇の下や腕の間に**「三角形の隙間」**を作るよう指示しましょう。これだけでシルエットがスッキリし、洗練された印象になります。
7. 「鼻の向き」で顔の印象をコントロールする
顔を正面に向けるだけでなく、少し横を向いてもらう際に「鼻の頭をあっちの方向へ」と指示します。
完全に真横(プロフイール)にするのか、斜め45度にするのかで、鼻筋の通り方や輪郭の見え方が劇的に変わります。その人の「ベストな角度」を対話しながら探しましょう。
8. 椅子や壁を「支え」にする
立っているのが疲れてくると、表情にも疲れが出ます。
壁に背中を預ける、椅子に浅く腰掛ける、階段に座る。**「寄りかかる場所」**があるだけで、モデルの心理的ハードルは下がり、脱力感のあるおしゃれなポートレートが撮りやすくなります。
9. 「ため息」をついてもらう
口元が力んでいるときは、「一度大きく息を吐いてみてください」と伝えます。
ため息をついた瞬間に唇の力が抜け、少しだけ口が開いた状態になります。これは「半開きの口元」と呼ばれ、ポートレートにおいて非常にセクシーでリラックスした表情を作るテクニックです。
10. 撮影者が「手本」を見せる
言葉だけで説明するよりも、カメラマン自身が「こんな感じで」と実際にポーズをやって見せるのが一番早いです。
少し大げさにやって見せることで、現場に笑いが起き、和やかなムードが生まれます。恥ずかしがらずに、自ら動くことが成功の近道です。
ポージング指示で使える「言い換え」リスト
指示の出し方ひとつで、モデルの受け取り方は変わります。
| 避けたい言葉 | 魔法の言い換え(おすすめ) |
| 「笑って」 | 「楽しかったことを思い出してニヤッとしてみて」 |
| 「背筋を伸ばして」 | 「頭のてっぺんを糸で吊られてるイメージで」 |
| 「こっち見て」 | 「名前を呼ばれて振り返る感じで」 |
| 「手を動かして」 | 「指先をピアノの鍵盤に乗せるように柔らかく」 |
まとめ:ポージングはカメラマンとの「共同作業」
素敵なポートレートは、カメラマンの技術とモデルの心が通じ合った瞬間に生まれます。
今回ご紹介した10のコツは、どれも特別な機材は必要ありません。明日からの撮影で、まずは「褒めること」と「具体的なアクションの指示」から始めてみてください。
被写体の方が「今日の撮影、楽しかった!」と言ってくれたなら、その写真はきっと素晴らしい仕上がりになっているはずです。
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