江島大橋は登れないほど急すぎる?「ベタ踏み坂」の正体と実際の勾配を徹底解説


「空に向かって車が吸い込まれていく……」

そんな衝撃的な映像で世界中を驚かせたのが、島根県と鳥取県を結ぶ「江島大橋」、通称「ベタ踏み坂」です。

テレビCMの影響で、「アクセルを床まで踏み込まないと登れないほどの激坂」というイメージが定着しましたが、実際はどうなのでしょうか?「自分の車で登れるか心配」「初心者マークでも大丈夫?」と不安に思う方もいるかもしれません。

今回は、そんなベタ踏み坂の「見た目」と「現実」のギャップについて、具体的な数値と構造の秘密から詳しく解説します。


1. ベタ踏み坂の「正体」は驚くほど普通?

結論からいうと、江島大橋は**「ごく普通のアクセル操作で、誰でも安全に登れる橋」**です。

名前に反して、最新の軽自動車やコンパクトカーであっても、アクセルをベタ踏みする必要はありません。では、なぜあのような極端な名前がついたのでしょうか。それは、橋のふもとから見上げた時の圧倒的な視覚効果が、人々に「ベタ踏みしなければならない」という強い先入観を与えたからです。


2. 数字で見る実際の勾配(斜度)

江島大橋の斜度を具体的な数値で確認してみましょう。この橋は、島根県側と鳥取県側でわずかに勾配が異なります。

場所勾配(パーセント)角度(度数)
島根県側(松江市)6.1%約3.5度
鳥取県側(境港市)5.1%約2.9度

「6.1%」という数字を聞くと急に感じるかもしれませんが、これは**「100メートル進むごとに6.1メートル高くなる」**という意味です。

一般的なスキー場の初級コースが斜度10度〜15度程度、都会にある非常に急な坂道が10%〜15%(約6度〜8度)を超えることも珍しくありません。そう考えると、江島大橋の6.1%という数値は、道路規格としては「少し急な坂」の範囲内に収まっていることがわかります。


3. なぜ「垂直の壁」に見えるのか?

実際の角度が3.5度程度しかないのに、なぜ写真や動画では垂直に見えるのでしょうか。その理由は、橋の**「高さ」「長さ」、そして「撮影方法」**にあります。

巨大なタンカーを通すための高さ

江島大橋は、中海を航行する5,000トン級の巨大な船が下をくぐれるように、中心部が非常に高く設計されています。最高地点の高さは約45メートル(ビル15階分相当)に達します。この高さを出すために、長い距離をかけて坂を登っていく独特のフォルムが形成されました。

圧縮効果による錯覚

「ベタ踏み坂」を有名にしたあの写真は、橋から数キロ離れた場所から望遠レンズで撮影されています。遠くのものを引き寄せて撮ると、前後の距離感が圧縮され、緩やかな坂道が急勾配の絶壁のように縮まって見えるのです。


4. 実際に走行する際の注意点

「普通に登れる」とはいえ、江島大橋を走行する際にはいくつか意識しておきたいポイントがあります。

  • 景色に見とれない: 頂上付近は非常に見晴らしが良く、隠岐諸島や大山が見えることもありますが、脇見運転は厳禁です。

  • 強風に注意: 非常に高い場所を走るため、海からの横風を強く受けることがあります。ハンドルをしっかり握って走行しましょう。

  • 頂上付近での駐停車は禁止: 絶景を撮ろうと橋の途中で車を止める行為は非常に危険で、法律でも禁止されています。撮影は必ず橋を下りた安全な場所から行いましょう。

  • エンジンブレーキの活用: 下り坂は非常に長いため、フットブレーキを使いすぎると過熱(フェード現象)の恐れがあります。シフトを「L」や「B」に入れるなど、エンジンブレーキを併用して速度を調整してください。


5. まとめ:ベタ踏み坂は「安心・安全な観光名所」

江島大橋の正体は、緻密な計算に基づいて作られた、安全で美しい生活道路です。

「ベタ踏み坂」という名前は、あくまでその圧倒的な景観を称えた愛称のようなもの。実際に行ってみると、その巨大なコンクリート構造物の美しさと、頂上から見下ろす中海の穏やかな風景に魅了されるはずです。

急勾配への恐怖心は捨てて、ぜひ快適なドライブを楽しみながら、島根・鳥取を繋ぐこの巨大な架け橋を体感してみてください。


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