なぜ私の写真はジブリ風にならないの?初心者が陥る3つのミスと解決レタッチ術


アニメーション映画のような、どこか懐かしく、胸がキュッとなるような美しい風景。SNSで見かける「ジブリ風写真」に憧れて、自分でも挑戦してみたものの、「なんだか安っぽいアニメ塗りになってしまう」「色が派手すぎて不自然」と頭を抱えていませんか?

実は、写真にフィルターをかけるだけでは、あの独特の空気感は生まれません。ジブリ風の世界観を作るには、光の捉え方と色彩の「引き算」に重要なポイントが隠されています。

この記事では、初心者が陥りがちな3つのミスを徹底解説し、今日から使える具体的なレタッチ(加工)のテクニックを紹介します。あなたの撮った何気ない日常の1枚を、物語のワンシーンのような芸術作品へと変貌させましょう。


1. 初心者が陥る「ジブリ風にならない」3つの致命的なミス

一生懸命編集しても「理想と違う」と感じる場合、以下の3つのポイントでつまずいている可能性が高いです。

ミス①:彩度(鮮やかさ)を上げすぎている

「ジブリ=鮮やか」というイメージから、彩度を極端に上げてしまうのが一番多い失敗です。彩度を上げすぎると、色が「デジタル特有のきつい色」になり、現実味が失われてしまいます。ジブリ作品の美しさは、単に鮮やかなだけでなく、目に優しい「自然な調和」の中にあります。

ミス②:コントラストが強すぎて影が真っ黒

強い日差しを表現しようとしてコントラストを上げすぎると、影の部分が真っ黒に潰れてしまいます。ジブリ風の背景美術は、暗い部分(シャドウ)にもしっかりと「色」が乗っており、空気の厚みを感じさせるのが特徴です。黒が強すぎると、柔らかいアニメーションの質感が損なわれます。

ミス③:元の写真が「曇り空」や「室内」

ジブリ風の写真は、光の方向性がはっきりしていることで成立します。どんよりとした曇り空や、光源の乏しい室内で撮った写真は、後からどれだけ加工してもあの「突き抜けるような清涼感」は出にくいものです。素材選びの段階で、勝負は始まっています。


2. 理想を叶える!劇的変化を生む解決レタッチ術

ミスを理解したら、次は具体的な解決策を実践しましょう。スマホの編集機能やアプリでも応用できる手順です。

ステップ1:露出とハイライトの調整

まずは写真を少し明るめに設定します。ポイントは、明るくしつつも「ハイライト(最も明るい部分)」を少し下げること。これにより、白飛びを防ぎつつ、雲のディテールや光の質感をきめ細やかに残すことができます。

ステップ2:シャドウに「色」を潜ませる

真っ黒な影を回避するために、シャドウをぐっと持ち上げます。さらに、トーンカーブやカラーグレーディング機能を使って、暗い部分に少しだけ「青」や「緑」を混ぜてみてください。これだけで、画面全体に奥行きと透明感が生まれます。

ステップ3:特定の色(青・緑・白)を個別に編集

全体の彩度はいじらず、特定の色だけを狙い撃ちします。

  • 空の青: 「色相」を少しだけシアン(水色)寄りにし、「明度」を下げることで、深みのある夏空になります。

  • 草木の緑: イエロー寄りに調整すると、陽の光を浴びた瑞々しい質感が出ます。

  • 雲の白: 輝度を上げることで、入道雲が浮き立つような立体感を作ります。

ステップ4:質感を「柔らかく」仕上げる

デジタル写真のパキッとした鋭さを取るために、「明瞭度」を少しだけ下げます。仕上げに「かすみの除去」をわずかにマイナスに振ると、光が滲んだようなソフトフォーカス効果が得られ、手描きの背景画のような温かみが出てきます。


3. ジブリ風を極めるための「お宝」テクニック

さらに一歩先を行くために、プロも意識している隠し技を紹介します。

「順光」と「サイド光」を使い分ける

撮影時は、太陽を背にする「順光」で撮ると青空が綺麗に出ます。一方、横から光が差す「サイド光」は、建物や植物にドラマチックな影を作り、物語性を高めてくれます。

1/3の法則で「余白」を作る

画面いっぱいに被写体を詰め込まず、空や道を広く取る「余白」を意識しましょう。広い空にポツンと標識がある、といった構図の方が、見る人の想像力を掻き立て、情緒的な雰囲気になりやすいのです。


4. まとめ:テクニックの先にある「心の風景」

「ジブリ風にならない」と悩んでいた理由は、技術的な設定だけでなく、光と影のバランスの捉え方にあったはずです。彩度を抑え、影に色を乗せ、質感を柔らかくする。このステップを踏むだけで、あなたの写真は見違えるほどエモーショナルに変わります。

大切なのは、目の前の風景のどこに「懐かしさ」や「美しさ」を感じたのかを自分に問いかけることです。その感覚を編集で強調していくことが、本当の意味でのジブリ風を作る最短ルートになります。

まずは、お手元にある写真の中から「空が広く写っているもの」を1枚選んで、今日紹介したレタッチを試してみてください。きっと、今まで気づかなかった日常の輝きが見えてくるはずです。


日常を物語に変える「ジブリ風写真」の撮り方と加工の秘訣:心に響く風景を作る完全ガイド