【一瞬でクリアに!】カメラのレンズダスト除去シート(クリーニングペーパー)の正しい使い方と注意点
「写真に写り込む小さな点や、気になる指紋...」レンズの汚れは、美しい写真の大敵です。
カメラのレンズを拭き取る際に活躍するのが、「レンズダスト除去シート」や「レンズクリーニングペーパー」と呼ばれる専用の拭き取り用品です。これらは、一般的なティッシュやメガネ拭きとは違い、レンズのデリケートなコーティングを傷つけにくいように作られています。
しかし、その使い方を間違えると、かえってレンズに拭き傷をつけてしまうリスクがあります。この記事では、あなたの大切なレンズを安全に、そして確実にクリアにするための正しい手順と知っておきたい知識を詳しく解説します。
1. レンズダスト除去シート(クリーニングペーパー)の役割と特徴
レンズダスト除去シートやペーパーは、その多くが使い捨てのティッシュ状になっており、主に指紋や油膜、水滴の跡など、ブロアーでは取り除けない粘着性のある汚れを拭き取るために使われます。
最大の特徴:使い捨てによる衛生管理
メリット:毎回新しいシートを使うため、前回の清掃で付着したホコリや汚れを再びレンズにつけてしまう心配がありません。この衛生面での安心感が、レンズクリーニングペーパーの最大の強みです。
素材:パルプや不織布など、レンズに優しい素材が使われています。
クリーニングクロスとの使い分け
種類 | 特徴 | 使うタイミング |
クリーニングペーパー | 使い捨て、専用液と併用が多い。繊維が残りにくい。 | 油膜や指紋など、粘着性のある頑固な汚れを拭き取る際。 |
クリーニングクロス | 繰り返し使える、超極細繊維(マイクロファイバー)製が多い。 | 軽微なホコリや、レンズ鏡筒(ボディ)の清掃、仕上げの空拭き。 |
基本は「頑固な汚れはペーパー」「日常的なホコリや仕上げはクロス」と使い分けるのがおすすめです。
2. シートを使う前の「絶対厳守」3ステップ
「汚れがあるから」といって、いきなりシートでゴシゴシ拭き取るのは絶対にやめましょう。レンズコーティングを傷つける最大の原因になります。
ステップ1:ブロアーでホコリを完全に吹き飛ばす
最優先事項:レンズ表面に付着している砂や硬いチリを、ブロアー(ゴム製ポンプ)で徹底的に吹き飛ばします。
理由:この硬い粒子がレンズとシートの間で研磨剤となり、拭き傷を発生させます。ホコリが一つも残らないようにすることが、安全なクリーニングの土台です。
ステップ2:ペーパーに専用液を染み込ませる
鉄則:レンズ専用のクリーニング液は、直接レンズにかけず、必ずペーパーに染み込ませてから使います。
液量:ペーパーが少し湿る程度が目安です。液量が多すぎると、レンズのフチや鏡筒の隙間に液が入り込み、故障の原因となることがあります。
ステップ3:レンズを優しく拭き上げる
準備が整ったら、いよいよ拭き取り作業です。
折りたたむ:ペーパーを四つ折りなどにし、指に巻き付けるようにして、柔らかいクッションを作ると力が入りすぎず安心です。
拭き方:レンズの中心部から外側に向かって、一方方向の円を描くように、「軽く撫でる」程度の力加減で優しく拭きます。
注意点:決してゴシゴシと力を入れてこすらないこと。力を入れなくても、専用液とペーパーの組み合わせで油膜は落ちます。
仕上げ:拭き跡が残った場合は、ペーパーの別の清潔な面、または清潔なクリーニングクロスで乾拭きして仕上げましょう。
3. ダスト除去シートに関するQ&A
Q. コンビニなどで売っているウェットティッシュは使えますか?
A. 避けてください。
一般的なウェットティッシュは、レンズのコーティングに優しくないアルコールや成分が含まれている場合があり、レンズを曇らせたり、コーティングを劣化させるリスクがあります。必ずカメラ・レンズ専用と明記された製品を使いましょう。
Q. 防汚コート(フッ素コート)のレンズに使っても大丈夫ですか?
A. 基本的に大丈夫ですが、注意が必要です。
最近のレンズに多い防汚コートは、指紋や水滴が付きにくく、付いても簡単に拭き取れるのが特徴です。そのため、汚れが軽い場合は空拭き(液を付けずにブロアー後に拭くだけ)で十分なことが多いです。液を使う際は、必ずレンズ専用のクリーナーを使い、拭きすぎないように注意しましょう。
レンズのメンテナンスは、**「やりすぎない」**ことが大切です。日常はブロアーでホコリを飛ばす程度にし、拭き取り作業は指紋などの頑固な汚れがついたときにだけ行うように心がけてくださいね。