なぜ？あえて上場しない道を選ぶ企業たち。その驚きの理由とメリットを解説

「企業って、大きくなったら上場するのが普通だよね？」

そう思っている方も多いのではないでしょうか。上場すると知名度が上がり、たくさんの資金を集めることができ、会社の成長スピードはぐっと加速します。多くの企業が目指すゴールのように見えますよね。

しかし、世の中には上場しないという道を選び、着実に成長している企業がたくさんあります。実は、あえて上場しないことには、上場企業にはない、たくさんのメリットがあるのです。

この記事では、**なぜ上場しないのか？**その理由と、非上場企業で働くことの魅力について、わかりやすく解説していきます。

上場しない企業が大切にしている「自由」とは？

上場しない企業が最も大切にしていること、それは「自由」です。具体的には、次の3つの自由が挙げられます。

上場すると、企業は株主のものになります。株主は会社のオーナーなので、企業の経営方針や利益の出し方について、厳しい目を向けます。四半期ごとに業績を報告し、短期的な利益を求められるプレッシャーは想像以上です。

しかし、非上場企業は、株主への配慮よりも、**「自分たちが本当にやりたいこと」や「長期的な視点での事業」**を優先できます。流行に左右されず、会社が信じる道を突き進むことができるのです。

上場企業は、経営状況や財務状況を**IR（インベスターリレーションズ）**として、詳細に公開する義務があります。これは、投資家が安心して取引するためのルールですが、競合他社にも会社の情報が筒抜けになってしまうというデメリットも。

非上場企業は、必要な情報以外は公開する義務がないため、**独自の戦略や技術を秘密裏に進めることができます。**これにより、他社に真似されにくい、競争力の高いビジネスを築くことができるのです。

上場企業は、株式が市場で自由に売買されるため、突然、敵対的な買収を仕掛けられるリスクが常にあります。

非上場企業の場合、株式のほとんどを創業家や従業員が持っていることが多く、外部からの買収リスクが非常に低いのが特徴です。自分たちの会社を、自分たちの手で守り、育てていくことができます。

あえて上場しない企業で働くことは、働く人にとっても大きな魅力があります。

長期的なキャリアプランを描きやすい
短期的な業績に左右されず、会社の理念やビジョンに基づいて事業が進められるため、社員も腰を据えてじっくりと働くことができます。
意思決定がスピーディー
株主総会などを経る必要がないため、経営陣の意思決定が速く、新しい事業やアイデアをすぐに実行に移せるケースが多いです。
社員への還元が大きい場合も
上場企業は、株主への配当を優先することが多いですが、非上場企業は、社員へのボーナスや福利厚生を手厚くするなど、利益を社内に還元する傾向が強いです。

日本には、上場していない大企業がたくさんあります。サントリーホールディングス、竹中工務店、YKKなどがその代表例です。

これらの企業は、創業者が大切にしてきた経営哲学や理念を、代々受け継ぎながら成長してきました。目先の利益にとらわれず、長期的な視点でブランドや技術を磨き続けることで、世界に誇る企業へと発展したのです。

あえて上場しない企業たちは、短期的な利益や市場の評価よりも、**「自分たちの価値観」や「長期的な成長」**を大切にしています。

上場だけが企業の成功ではありません。上場企業にはない「自由」を強みに、独自の道を歩む非上場企業。就職や転職を考える際は、企業の規模や知名度だけでなく、その企業が大切にしている価値観にも注目してみると、新しい発見があるかもしれませんね。