「控除」ってよく聞くけど何?所得控除と税額控除の違いをわかりやすく解説!

 


年末調整や確定申告の時期になると、「控除」という言葉を耳にする機会が増えますよね。「控除ってなんだか難しそう…」「自分に関係あるのかな?」と感じている方も多いかもしれません。

でも、この「控除」という仕組みを理解することは、税金を安くする上でとても大切なんです。知っているか知らないかで、手元に残るお金が大きく変わる可能性もあります。

この記事では、まず「控除」が一体何を意味するのかを分かりやすく解説し、その上で混同しやすい**「所得控除」と「税額控除」という2つの主要な控除**について、それぞれの違いや仕組みを具体例を交えてご紹介します。税金への苦手意識をなくして、賢く節税する方法を学んでいきましょう!


「控除」って何?ズバリ!税金から差し引かれるもの

「控除(こうじょ)」とは、簡単に言うと**「特定の金額を差し引くこと」**を意味します。

税金の世界で使われる「控除」は、主に2つの場面で登場します。

  1. 所得(収入)から差し引くこと:所得控除

  2. 税金(税額)から直接差し引くこと:税額控除

なぜこのような仕組みがあるのでしょうか? それは、納税者一人ひとりの個人的な事情(家族構成、医療費の負担、社会貢献など)を考慮し、公平な税負担を実現するためです。国は、国民が安心して生活できるよう、税金を通じて様々な支援を行っています。その一環として、特定の状況にある人には税金の負担を軽減する措置が取られているのです。

この「控除」があるおかげで、同じ収入の人でも、家族構成や医療費の状況によって税金の額が変わってくる、ということが起こります。


【重要】「所得控除」と「税額控除」の違いを徹底解説!

ここからが本題です。「所得控除」と「税額控除」はどちらも税金を安くする仕組みですが、税金が計算されるどの段階で差し引かれるかが大きく異なります。

1. 所得控除:税金計算の「入り口」で所得を減らす

所得控除とは、納税者の個人的な事情(扶養家族がいる、医療費をたくさん払った、生命保険に入っているなど)を考慮して、所得の金額から一定額を差し引くことで、課税対象となる所得を減らす仕組みです。

所得税や住民税は、所得の金額に「税率」をかけて計算されます。つまり、所得控除によって所得が減れば、それに連動して税金も安くなる、というわけです。

計算式(イメージ):

所得金額(収入から必要経費などを引いたもの)

- 所得控除の合計額

= 課税所得金額

具体例:

例えば、年収500万円の人が、給与所得控除後の所得が300万円だったとします。

もし所得控除が100万円あれば、課税所得金額は200万円になります。

この200万円に税率がかけられるため、税金が安くなるのです。

所得控除の主な種類(一例)

  • 社会保険料控除:支払った社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料など)の全額が控除対象。

  • 生命保険料控除:支払った生命保険料の一部が控除対象。

  • 医療費控除:本人や生計を共にする家族が1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に適用される。

  • 扶養控除:扶養している親族がいる場合に適用される。

  • 配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者がいる場合に適用される。

  • 寄付金控除:国や地方公共団体、特定の団体に寄付をした場合に適用される(ふるさと納税もこれに含まれます)。

  • 基礎控除:納税者全員に適用される基本的な控除。

所得控除は、「所得税額を計算する前の所得金額」を減らすという点がポイントです。そのため、所得税率が高い人ほど、所得控除の恩恵も大きくなります。

2. 税額控除:税金計算の「出口」で税金を直接減らす

税額控除とは、所得税額が計算された後、その税金の金額から直接一定額を差し引く仕組みです。

所得控除が「所得の金額を減らす」のに対し、税額控除は「税金そのものの金額を減らす」ため、節税効果がより直接的で大きいのが特徴です。

計算式(イメージ):

算出所得税額(課税所得金額 × 税率で計算された税金)

- 税額控除の合計額

= 納めるべき所得税額

具体例:

例えば、所得税額が20万円と計算された人がいたとします。

もし税額控除が5万円あれば、納めるべき所得税額は15万円になります。

5万円が直接税金から差し引かれるため、節税効果が分かりやすいですね。

税額控除の主な種類(一例)

  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除):住宅ローンを組んで住宅を購入・改築した場合に適用される。年末のローン残高の一定割合が税額から直接控除されるため、節税効果が非常に大きいことで知られています。

  • 配当控除:株式の配当金を受け取った場合に適用される。

  • 政党等寄付金特別控除:特定の政党などに寄付をした場合に適用される(寄付金控除とは別の制度)。

  • 外国税額控除:海外で得た所得に現地の税金が課された場合に、国内での二重課税を防ぐために適用される。

税額控除は、税金の計算が終わった後に直接税金から差し引かれるため、金額がそのまま節税額に直結するという点がポイントです。


【まとめ】所得控除と税額控除の違いをわかりやすく比較!

項目

所得控除

税額控除

控除される対象

所得(収入から必要経費などを引いた金額)

税金(算出された所得税額)

節税効果

課税所得が減ることで、税率をかける前の金額が小さくなる。税率が高い人ほど効果大。

計算された税金から直接金額が引かれるため、節税効果が直接的で大きい。

影響

所得税・住民税に影響する

所得税(多くの場合)に直接影響する

医療費控除、生命保険料控除、扶養控除、社会保険料控除など

住宅ローン控除、配当控除など

このように、所得控除は「税金の計算元となる金額を減らす」ことで遠回しに税金を安くし、税額控除は「計算された税金そのものを直接減らす」ことでストレートに税金を安くする、という違いがあります。


控除を最大限に活用するために

「控除」という制度を理解し、適切に活用することは、あなたの手取りを増やす上で非常に有効な手段です。

  • 年末調整:会社員の方は、年末調整で多くの所得控除(社会保険料控除、生命保険料控除、iDeCoなど)が自動的に適用されます。必要書類は漏れなく提出しましょう。

  • 確定申告:医療費控除や寄付金控除(ふるさと納税など)、住宅ローン控除の初年度などは、ご自身で確定申告を行う必要があります。忘れずに申告することで、税金が還付される可能性があります。

  • 税制改正に注目:控除の内容は、毎年のように税制改正によって見直されることがあります。最新の情報をチェックすることも大切です。

税金について「難しい」「面倒」と感じるかもしれませんが、少しの知識と行動で、あなたの生活はもっと豊かになります。ぜひ、ご自身の状況に合わせて、利用できる控除がないかを確認してみてくださいね。

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