あごの「しゃくれ」ってどんな状態？気になる原因と対策を徹底解説！
鏡を見て、「あれ？自分、ちょっとあごが出てるかも…？」と感じたことはありませんか？一般的に「あごのしゃくれ」と呼ばれる状態は、下あごが上あごよりも前に出ていることを指します。見た目の印象だけでなく、実は生活に影響を及ぼすこともあるんです。
今回は、この「あごのしゃくれ」について、どんな状態なのか、なぜそうなるのか、そして気になる対策まで、皆さんの疑問をスッキリ解決します！
「あごのしゃくれ」ってどんな状態？正式名称は？
「あごのしゃくれ」は日常的な表現で、医学的には「下顎前突（かがくぜんとつ）」と呼ばれる状態です。これは、下あごが上あごよりも前に突き出ている、または上あごの成長が不十分で相対的に下あごが前に出ている状態を指します。
程度は人それぞれで、わずかに下あごが出ている場合から、かなり顕著な場合まで様々です。
「しゃくれ」が引き起こす可能性のある影響
見た目の印象が気になるのはもちろんですが、それ以外にも以下のような影響が出ることがあります。
噛み合わせの問題: 上下の歯が正しく噛み合わない「不正咬合（ふせいこうごう）」になることが多く、食べ物をしっかり噛めないことがあります。
発音の問題: 歯並びやあごの位置が原因で、サ行やタ行などの発音がしにくくなることがあります。
顎関節への負担: 顎関節（がくかんせつ）に過度な負担がかかり、あごの痛みやカクカクといった音がする「顎関節症（がくかんせつしょう）」を引き起こす可能性もあります。
口呼吸になりやすい: 口が閉じにくくなり、口呼吸が癖になることがあります。口呼吸は、虫歯や歯周病のリスクを高めたり、口臭の原因になったりすることもあります。
なぜ「あごのしゃくれ」になるの？主な原因を探る
下顎前突の原因は一つではなく、いくつかの要因が複雑に絡み合っていることが多いです。
１．遺伝的要因（骨格の問題）
最も大きな原因の一つとして、遺伝が挙げられます。両親や親族に下あごが発達している方がいる場合、お子さんも同じような骨格になる可能性があります。これは、あごの骨の大きさや成長の仕方が遺伝の影響を受けるためです。
２．幼少期の癖や習慣
子どもの頃の何気ない癖や習慣が、あごの成長に影響を与えることがあります。
指しゃぶり: 長期間にわたる指しゃぶりは、上あごの成長を阻害したり、歯並びを乱したりする可能性があります。
舌の癖: 舌を前歯に押し付けたり、舌で前歯を舐めたりする癖があると、前歯が前に押し出されてしまい、結果的にあごのバランスに影響が出ることがあります。
口呼吸: 鼻呼吸ではなく、口を開けて呼吸する癖があると、舌の位置が低くなり、下あごが前に出やすい環境を作ってしまうことがあります。
頬杖: 長時間同じ姿勢で頬杖をつくことも、あごの骨に偏った力が加わり、成長に影響を与える可能性があります。
３．歯並びの問題
歯の生え方や本数、歯の大きさとあごのバランスが悪いことも、下顎前突のように見える原因になることがあります。例えば、下の前歯が上の前歯よりも前に生えてくることで、あごが前に出ているように見えるケースです。
気になる「あごのしゃくれ」どうしたらいい？対策と治療法
「あごのしゃくれ」は、その原因や程度によって対策や治療法が異なります。気になる場合は、まず専門家である歯科医師や矯正歯科医に相談することが大切です。
１．生活習慣の改善（特に子どもの頃から）
もしお子さんの下あごの突出が気になる場合は、幼少期の癖を見直すことが重要です。
指しゃぶりや舌の癖の改善: 専門家の指導のもと、これらの癖を改善するトレーニングを行うことがあります。
鼻呼吸の習慣づけ: 口呼吸を改善し、正しい鼻呼吸を促すためのアプローチを行います。
これらは、骨格形成途中の成長期に行うことで、より良い結果が期待できます。
２．矯正歯科治療
あごの骨格や歯並びの問題が原因の場合、矯正歯科治療が一般的な対策となります。
歯列矯正: ワイヤーやマウスピースなどを使って歯並びを整える治療です。軽度なケースや、歯の傾きが原因の場合に有効です。
顎顔面矯正（がくがんめんきょうせい）: 成長期のお子さんの場合、あごの骨の成長をコントロールする装置（上あごの成長を促したり、下あごの成長を抑えたりするもの）を使うことがあります。これは、本格的な外科手術を避けるためにも、早期の発見と治療が重要です。
３．外科手術を伴う矯正治療（外科的矯正治療）
骨格的な問題が非常に大きい場合や、成長期を過ぎた大人の場合は、あごの骨を切って位置を修正する外科手術を伴う矯正治療が選択肢となることがあります。これは、歯科矯正だけでは改善が難しいと判断された場合に検討されます。手術を行う前に歯列矯正で歯並びを整え、手術後に再び矯正を行うのが一般的です。
まとめ：「あごのしゃくれ」は専門家へ相談が第一歩！
**あごのしゃくれ（下顎前突）**は、見た目だけでなく、噛み合わせや発音、顎関節の健康にも関わるデリケートな問題です。遺伝的な要因や幼少期の癖、歯並びなど、様々な原因が考えられます。
もしご自身やご家族の「あごのしゃくれ」が気になる場合は、まずは歯科医院や矯正歯科専門医に相談してみましょう。適切な診断を受けることで、それぞれの状態に合った最適な治療法や対策を見つけることができます。早期に相談することで、より負担の少ない方法で改善できる可能性も高まりますよ。