住民税はいつから天引きされる?納付の時期や方法、課税対象を徹底解説!
「給与明細を見て、住民税の天引きが始まっていることに気づいたけど、いつから引かれているんだろう?」「そもそも住民税ってどんな税金?」
会社員や公務員として働いている方なら、給与から住民税が天引きされていることにお気づきでしょう。しかし、その仕組みや納付の時期、なぜ天引きされるのか、といった詳細まで理解している方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、住民税がいつから天引きされるのかという疑問から、その納付の時期や方法、さらには住民税の課税対象となる所得まで、分かりやすく丁寧に解説します。住民税について正しく理解し、安心して納税できるようになりましょう。
1. 住民税とは?基本的な仕組みを理解しよう
住民税は、私たちの暮らしを支える大切な税金です。まずはその基本的な仕組みを確認しましょう。
1-1. 住民税ってどんな税金?
住民税とは、私たちが住んでいる都道府県や市町村に納める地方税のことです。教育、福祉、ゴミ処理、消防、道路整備など、地域住民が利用する様々な公共サービスや行政サービスを運営するための費用に充てられています。
住民税は、前年の所得に対して課税される点が特徴です。つまり、「去年の所得」に基づいて「今年の住民税」が決まるということです。
1-2. 住民税の種類
住民税は、以下の2つの要素で構成されています。
均等割(きんとうわり): 所得の多少にかかわらず、住民全員が均等に負担する部分です。年間で5,000円程度(都道府県民税と市町村民税を合わせた額)が一般的ですが、自治体によって若干異なります。
所得割(しょとくわり): 前年の所得に応じて税額が決まる部分です。一般的に、所得の約10%(都道府県民税4%+市町村民税6%)が課税されます。
2. 住民税はいつから天引きされる?
会社員や公務員の場合、住民税は給与から天引きされる「特別徴収」という方法で納付されます。では、具体的にいつから天引きが始まるのでしょうか。
2-1. 天引き(特別徴収)が始まる時期
住民税の天引きが始まるのは、原則として毎年6月からです。
これは、前年の1月1日から12月31日までの所得に基づいて計算された住民税の税額が、その年の5月頃に勤務先に通知され、それを受けて6月から翌年の5月までの12回に分けて給与から天引きされる仕組みになっているためです。
例:
2024年1月〜12月の所得に対する住民税
→ 2025年6月〜2026年5月の給与から天引き
2-2. 新社会人の場合はいつから?
新社会人の方で、初めて住民税の天引きを経験する方は特に疑問に思うかもしれません。
新社会人の場合、住民税は入社した翌年の6月から天引きが始まります。
これは、住民税が前年の所得に対して課税されるため、社会人1年目にはまだ前年(学生時代など)に大きな所得がないためです。
例:
2025年4月に新卒で入社
→ 2025年1月〜12月の所得(社会人になってからの所得)に対する住民税が計算される
→ 2026年6月〜2027年5月の給与から天引き開始
したがって、新社会人の方は、入社した年は住民税の天引きがなく、給与が額面通りに近い金額で支給されますが、翌年の6月からは住民税の天引きが始まり、手取り額が少し減ることになります。この点に注意して、家計の計画を立てておくと安心です。
3. 住民税の納付方法と時期
住民税の納付方法は、大きく分けて「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。
3-1. 特別徴収(給与からの天引き)
対象者: 会社員、公務員など、給与所得者
納付時期: 毎年6月から翌年5月までの12回に分けて、毎月の給与から天引きされます。
特徴: 勤務先が税額を計算し、従業員の給与から天引きして自治体に納付するため、納税の手間がかかりません。
3-2. 普通徴収(自分で納付)
対象者: 自営業者、フリーランス、年金受給者、退職者など、特別徴収の対象とならない方
納付時期: 自治体から送られてくる納付書を使って、原則として**年4回(6月、8月、10月、翌年1月)**に分けて自分で納付します。
特徴: 自分で納付手続きを行う必要があります。納付書には各回の納期が明記されていますので、期日までに金融機関やコンビニエンスストア、または電子納税などで納めましょう。
3-3. 退職した場合の住民税は?
会社を退職した場合、住民税の納付方法が変わる可能性があります。
退職月によって異なる:
1月1日〜5月31日の退職: 最後の給与や退職金から、残りの期間の住民税が一括で天引きされることが多いです。
6月1日〜12月31日の退職: 退職後の住民税は、原則として普通徴収に切り替わり、自分で納付することになります。ただし、希望すれば残りの期間の住民税を一括で天引きしてもらうことも可能です。
退職の際は、勤務先の担当部署に住民税の今後の取り扱いについて確認しておくと安心です。
4. 住民税の課税対象となる所得と計算方法
住民税は、前年の所得に基づいて計算されるため、どのような所得が課税対象となるのかを知っておくことが大切です。
4-1. 課税対象となる所得
基本的に、所得税の課税対象となる所得は、住民税の課税対象にもなります。 具体的には、以下のような所得が含まれます。
給与所得: 会社からもらう給与、賞与など
事業所得: 自営業などで得た収入
不動産所得: 不動産の賃貸などから得た収入
退職所得: 退職金
年金所得: 公的年金、私的年金など
その他、利子所得、配当所得、譲渡所得など
4-2. 所得控除と税額控除
所得税と同様に、住民税にも所得控除や税額控除があります。これらの控除を適用することで、課税対象となる所得が減り、結果として住民税の税額も軽減されます。
所得控除の例: 社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、扶養控除、配偶者控除、基礎控除など。
税額控除の例: 住宅ローン控除(一部)、寄付金控除など。
これらの控除を受けるためには、会社員の場合は年末調整で、自営業者などは確定申告で正しく申告することが重要です。
まとめ:住民税の仕組みを理解して計画的に!
住民税は、私たちの生活を支える大切な地方税です。会社員であれば毎年6月から給与天引きが始まること、そして新社会人の場合は入社翌年の6月から天引きが始まることを理解しておきましょう。
また、住民税は前年の所得に基づいて計算され、所得控除などを活用することで税負担を軽減できる可能性もあります。自身の所得や控除について正しく把握し、計画的に納税することで、安心して快適な生活を送れるでしょう。
ご自身の住民税についてさらに詳しく知りたい場合は、お住まいの市町村の税務担当部署に問い合わせてみましょう。