宇宙の距離を測るってどうするの?遠すぎる星までの道のりを解き明かす方法!


夜空を見上げると、無数の星々が輝いていますよね。あの星はどれくらいの遠くにあるんだろう?銀河はどれくらい離れているんだろう?そんな風に思ったことはありませんか?宇宙の距離は想像を絶するほど広大なので、私たちが普段使っているメートルやキロメートルといった単位ではとても測りきれません。今回は、そんな途方もない宇宙の距離を、科学者たちが一体どのように測っているのか、いくつかの面白い方法をご紹介しますね!


宇宙の距離を測る単位「光年」と「パーセク」

まず、宇宙の距離を表すときによく使われる単位を知っておきましょう。

  • 光年(こうねん): 光が1年間に進む距離のことです。光は秒速約30万キロメートルという猛スピードで進むので、1光年でも約9兆4600億キロメートルという、とてつもない距離になります。
  • パーセク(pc): 約3.26光年、または約30兆9000億キロメートルに相当する単位です。天文学では光年よりもパーセクがよく使われます。

これらの単位からもわかるように、宇宙の距離は桁違いなんです!

宇宙の距離を測る「宇宙の距離はしご」

地球からすぐ近くの星から、遠く離れた銀河まで、宇宙の様々な距離を測るには、それぞれ異なる方法が使われています。例えるなら、それぞれの距離に合った「物差し」を使い分けているようなものです。これを「宇宙の距離はしご(宇宙の距離尺度)」と呼びます。

1. 地球に近い星の距離を測る「年周視差」

比較的地球に近い星の距離を測るのに使われるのが、「年周視差(ねんしゅうしさ)」という方法です。これは、私たちが目の前の物体を片目ずつ交互に見ると、少しずれて見えるのと同じ原理を利用しています。

  • どうやって測るの?:
    1. 地球が太陽の周りを公転する半年間(約6ヶ月)で、ある星の見え方がどれくらいずれるかを観測します。
    2. 地球の公転軌道の直径(約3億キロメートル)を基準として、その見かけのずれ(視差)と三角法を使って、星までの距離を計算します。
  • どんな距離に使える?: 数百光年、最近では数万光年くらいまでの星に適用できます。しかし、遠い星ほどずれが小さくなるため、正確に測るのが難しくなります。

2. 少し遠い星の距離を測る「セファイド変光星」

年周視差では測れない、もっと遠い星の距離を測るのに役立つのが、「セファイド変光星(へんこうせい)」と呼ばれる特別な星です。この星は、明るさが周期的に変化するという特徴を持っています。

  • どうやって測るの?:
    1. セファイド変光星は、「明るさが変化する周期が長い星ほど、本来の明るさが明るい」という非常に便利な関係が分かっています。
    2. この周期を観測することで、その星の「絶対的な明るさ(本来の明るさ)」がわかります。
    3. そして、地球から見たその星の「見かけの明るさ」と、本来の明るさを比べることで、星までの距離を計算することができます。
  • どんな距離に使える?: 数百万光年、つまり私たち自身の銀河(天の川銀河)の中や、近くの銀河までの距離を測るのに非常に有効です。

3. 非常に遠い銀河の距離を測る「Ia型超新星」

さらに遠く、数千万光年から数十億光年といった非常に遠い銀河までの距離を測るのに使われるのが、「Ia型超新星(いちエーがたちょうしんせい)」と呼ばれる、ある種の超新星爆発です。

  • どうやって測るの?:
    1. Ia型超新星は、ある特定の条件で起こる爆発で、ほぼ同じ「絶対的な明るさ」で輝くことが知られています。まるで「宇宙の標準的な電球」のような存在です。
    2. この「絶対的な明るさ」と、地球から見た「見かけの明るさ」を比べることで、超新星が起こった銀河までの距離を計算できます。
  • どんな距離に使える?: 宇宙の果てに近いような、非常に遠い銀河までの距離を測る「最長のはしご」として使われています。宇宙が加速膨張していることを発見したのも、このIa型超新星の観測によるものです。

4. 宇宙全体の膨張を利用する「ハッブルの法則」

最も遠い宇宙の距離を測る、そして宇宙の膨張そのものを理解するのに不可欠なのが「ハッブルの法則」です。

  • どうやって測るの?:
    1. 遠くの銀河ほど、私たちから遠ざかる速度が速いことが知られています(宇宙の膨張によるものです)。
    2. 銀河の遠ざかる速度(これを「赤方偏移」という光の波長の変化から測定します)と、距離にはある一定の関係があることが分かっています。
    3. この関係(ハッブルの法則)を使って、銀河がどれくらいの速さで遠ざかっているかを知れば、その銀河までの距離を推定することができます。
  • どんな距離に使える?: 非常に遠い銀河や、宇宙全体のスケールを測るのに使われます。

まとめ:宇宙の距離を測るって、まるで探偵みたい!

宇宙の距離を測る方法は、まるで遠い場所にある手がかりを繋ぎ合わせて、謎を解き明かす探偵の仕事のようですね。

  • 近くの星は「年周視差」で地球の動きを利用して測る。
  • 少し遠い星や銀河は「セファイド変光星」の周期的な明るさの変化を利用する。
  • さらに遠い銀河は「Ia型超新星」という「宇宙の標準的な電球」を利用する。
  • そして、宇宙全体の広がりは「ハッブルの法則」で宇宙の膨張そのものを利用する。

これらの様々な「物差し」や「はしご」を組み合わせることで、私たちは宇宙の広大なスケールを少しずつ理解し、その成り立ちの謎に迫ることができるのです。宇宙の探求は、これからも私たちに新しい発見と驚きを与え続けてくれるでしょう!

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