🏥「あれ?私の保険は?」国民健康保険制度の「なぜ?」と「どうすれば?」を全部解決!加入・保険料・給付をやさしく解説
会社員だったけど退職した、ずっとパートだったけど正社員になった、独立してフリーランスになった…人生の節目で「あれ?私の健康保険ってどうなるんだっけ?」と立ち止まること、ありますよね。
そんな時、多くの人が関わることになるのが「国民健康保険」、通称「国保」です。
なんとなく名前は聞いたことがあるけど、「自分が入るべきか分からない」「保険料ってどう決まるの?」「どんな時に役立つの?」と、ギモンや不安を感じている方もいるかもしれません。
国民健康保険は、私たちが病気やケガをした時に、安心して医療を受けるための、日本に住む全ての人を支える大切な助け合いの仕組みです。ちょっと複雑に感じるかもしれませんが、仕組みを知れば大丈夫!
この記事では、厚生労働省の情報を基に、国民健康保険制度の基本のキホンから、
- どんな人が国民健康保険に入るの?
- 入るとどんな「いいこと」があるの?(受けられる給付)
- 一番気になる!保険料ってどうやって決まるの?
- 入ったり抜けたりする時の手続きは?
といった点を、誰にでも分かるように、優しく、丁寧に解説します。これを読めば、国民健康保険に対する「モヤモヤ」がスッキリ解消されるはずです!
国民健康保険って、そもそもどんな制度?
日本には「国民皆保険制度」といって、日本に住んでいる全ての人が、何らかの公的な健康保険に加入することになっています。これは、病気やケガをした時に、経済的な心配をせずに必要な医療を受けられるように、みんなで保険料を出し合って支え合う、世界でも珍しい素晴らしい仕組みです。
国民健康保険は、この国民皆保険制度を支える柱の一つです。
具体的には、主にお勤め先の健康保険(会社の健康保険や共済組合など)に加入していない方や、後期高齢者医療制度に加入する前の年齢の方が対象となります。
制度の運営は、お住まいの市区町村や都道府県が行っています。皆さんが納めた保険料は、加入者が病気やケガをした時の医療費などに使われます。
あなたは国民健康保険に入る人?加入対象者をチェック!
では、具体的にどんな人が国民健康保険に加入することになるのでしょうか?基本的には、日本国内に住んでいる方で、以下のいずれにも当てはまらない方です。
- 職場の健康保険(健康保険組合や協会けんぽ、共済組合など)に加入している方
- 職場の健康保険に加入している方の扶養に入っている方
- 後期高齢者医療制度に加入している方(原則75歳以上の方)
- 生活保護を受けている方
これらのどれにも当てはまらない方は、国民健康保険に加入することになります。具体的な例としては、
- 会社を退職した方(次の就職先が決まっていない、または自営業になるなど)
- 自分で事業を始めた方(フリーランスや個人事業主)
- 農業や漁業に従事している方
- パートやアルバイトで、職場の健康保険の加入条件を満たさない方
- 扶養されていた家族が、就職したり収入が増えたりして扶養から外れた方
- 日本国内に住所がある留学生など
- 無職の方
などです。もし、あなたがこれらのどれかに当てはまるのに、他の健康保険に加入していない場合は、国民健康保険への加入手続きが必要です。
もしもの時に安心!国民健康保険の「給付」って?
国民健康保険に加入すると、病気やケガをした時に様々な「給付」(サービスやお金)を受けることができます。主なものをご紹介します。
- 病院にかかった時の医療費が3割負担に!(療養の給付) これが国民健康保険の最も基本的な給付です。保険証を医療機関の窓口で提示すれば、かかった医療費の原則3割だけを自己負担すれば済みます。残りの7割は国民健康保険が負担してくれます。 ※年齢や所得によって自己負担の割合が異なる場合があります。
- 医療費が高額になっても安心!「高額療養費制度」 もし、病気やケガで入院したり手術を受けたりして、医療費が高額になってしまっても大丈夫な制度です。1ヶ月(月の初めから終わりまで)の医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が国民健康保険から払い戻されます。 例えば、医療費が100万円かかったとしても、自己負担の上限額が仮に数万円~十数万円なら、それ以上の金額は支払う必要がない、という非常に助かる制度です。事前の申請で、窓口での支払いを自己負担上限額までに抑えることもできます。
- その他にも役立つ給付
- 出産育児一時金: 国民健康保険に加入している人が出産した場合に支給されます。
- 葬祭費: 国民健康保険の加入者が亡くなった場合に、お葬式を行った方に支給される場合があります。
これらの給付があることで、私たちは医療を受ける際の経済的な不安を大きく減らすことができるのです。
一番気になる!国民健康保険料の仕組み
国民健康保険料は、お住まいの市区町村や都道府県によって、計算方法や保険料率が異なります。そのため、「全国一律でいくら」という決まりはありません。
保険料は、主に以下の要素に基づいて計算されることが多いです。
- 所得割: 前年(または前々年)の所得に応じて計算されます。所得が高いほど保険料も高くなる傾向があります。
- 均等割: 国民健康保険に加入している人数に応じて計算されます。
- 平等割: 1世帯あたりで均等に計算されます。
- 資産割: (一部の市区町村のみ)固定資産税額などに応じて計算されます。
これらの要素を組み合わせて、それぞれの市区町村が独自の計算方法で保険料を決めています。
具体的な保険料額を知るには?
ご自身の正確な国民健康保険料を知るためには、お住まいの市区町村のウェブサイトを確認するか、直接窓口に問い合わせるのが一番確実です。年度の始めに送られてくる保険料の通知書でも確認できます。
保険料が安くなる?「軽減」や「減免」制度
「保険料の支払いが大変だな…」と感じる方もいるかもしれません。国民健康保険には、**所得が低い世帯などを対象とした「軽減制度」**があります。所得が一定の基準以下の場合、保険料の均等割額や平等割額が7割、5割、2割など、決められた割合で軽減される仕組みです。
また、災害にあったり、事業が著しく悪化したりといった特別な理由がある場合には、申請によって保険料が「減免」される制度もあります。
こうした制度は、知らないと損をしてしまうことも。もし保険料の支払いが難しいと感じたら、お住まいの市区町村の窓口に相談してみることをおすすめします。
国民健康保険に「加入する時」「脱退する時」の手続き
国民健康保険への加入や脱退は、自分自身で手続きを行う必要があります。忘れてしまうと、色々なトラブルの原因になるので注意が必要です。
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加入手続きが必要な時:
- 会社を退職して職場の健康保険の資格を失ったとき
- 扶養から外れたとき
- 他の市区町村から引っ越してきたとき
- 赤ちゃんが生まれたとき
- 生活保護を受けなくなったとき
- 外国人の方が転入してきたとき(要件あり) など 手続き場所: お住まいの市区町村役場の国民健康保険担当窓口 手続きに必要なもの(例): 離職票や健康保険資格喪失証明書(会社を辞めた場合)、マイナンバーカードまたは通知カード、本人確認書類、印鑑など。ケースによって必要なものが異なりますので、事前に窓口に確認しましょう。原則として、資格ができた日(会社を辞めた日の翌日など)から14日以内に手続きが必要です。
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脱退手続きが必要な時:
- 会社に就職して職場の健康保険に加入したとき
- 家族の扶養に入ったとき
- 他の市区町村へ引っ越すとき
- 亡くなったとき
- 生活保護を受けるようになったとき
- 後期高齢者医療制度に加入したとき など 手続き場所: お住まいの市区町村役場の国民健康保険担当窓口 手続きに必要なもの(例): 国民健康保険証、新しく加入した健康保険証(コピー)、マイナンバーカードまたは通知カード、本人確認書類、印鑑など。こちらもケースによって必要なものが異なります。
手続きが遅れると、その間の医療費が全額自己負担になったり、さかのぼって保険料を支払うことになったりする場合があります。**「変化があったらすぐに手続き!」**を心がけましょう。
国民健康保険に関する「よくある疑問」Q&A
Q1. 保険料を滞納するとどうなるの?
国民健康保険料は、病気やケガをした時の医療費などを支えるための大切な財源です。滞納してしまうと、まず督促状が届きます。それでも支払いがない場合は、保険証の代わりに「被保険者資格証明書」が交付され、医療費が一時的に全額自己負担になったり、財産(預貯金、給与、不動産など)が差し押さえられたりする場合があります。
保険料の支払いが難しい場合は、滞納する前に必ず市区町村の窓口に相談しましょう。分納などの相談に乗ってもらえます。
Q2. 無職でも国民健康保険に入らないといけないの?
はい、日本国内に住んでいる以上、職場の健康保険や後期高齢者医療制度などに加入していない限り、国民健康保険への加入が必要です。これは、もしもの時に必要な医療を受けられるように、国民皆保険制度によって定められている義務です。
Q3. 後期高齢者医療制度って何?いつ切り替わるの?
後期高齢者医療制度は、原則として75歳以上の方が加入する医療保険制度です。75歳の誕生日を迎えると、それまで加入していた健康保険(国民健康保険や職場の健康保険)から自動的に後期高齢者医療制度に切り替わります。手続きは基本的に不要です。
Q4. 国民健康保険と会社の社会保険、どっちがいいの?
一概にどちらが良いとは言えません。会社の社会保険(健康保険と厚生年金保険)は、保険料の半分を会社が負担してくれるという大きなメリットがあります。国民健康保険は保険料の全額を自分で支払う必要があります。
しかし、社会保険には加入条件(労働時間や日数など)があり、誰でも入れるわけではありません。また、保険料は所得や地域によって異なります。
ご自身の働き方、収入、家族構成などを考慮して、どちらの制度が適用されるか、または選択できるかを考える必要があります。
まとめ:国民健康保険は、あなたの「もしも」を支える大切なセーフティネット!
国民健康保険制度は、私たちが安心して暮らしていく上で欠かせない、大切な社会保障制度です。病気やケガはいつ、どんな時に起こるか分かりません。そんな「もしも」の時に、経済的な負担を気にせず必要な医療を受けられるのは、国民健康保険があるおかげです。
制度の仕組みや手続きは少し複雑に感じるかもしれませんが、基本を理解しておけば、いざという時にも慌てずに済みます。
この記事が、皆さんが国民健康保険制度について正しく理解し、安心して毎日を送るための一助となれば嬉しいです。もし分からないことがあれば、お住まいの市区町村の窓口に遠慮なく相談してみてくださいね!